亡き息子に捧げる

長男が自殺した父親が綴るあれこれです。息子を死に追いやってしまった自責の念は一生残ります。息子が僕に残した「お前の生き方は間違っている」というメッセージを心に刻み、日々もがいている自分の姿をそのまま書き綴りました。

恨むことは人を殺すこと

父を恨んでいました

僕が息子を死に追いやってしまった原因は

僕が小さい頃からずっと父を恨み続けていたからです。

経済的には裕福に育った僕なのに

その恩義には全く気づいていませんでした。

父は学者で偉い人でしたが、

僕とは合いませんでした。

その理由はただ一つ、

僕が勉強嫌いだったからです。

父は僕がクラスで一番であり続けることを

願っていたと思います。

しかしその期待に応えられず、

また、僕の日々の生活態度も父は気に入らなく

叩かれたり強い言葉を投げられたりしていました。

その父への恨みが、僕自身の息子に対しては

勉強とは無縁の子育てをしてやる!

参観日でも怒られてばかりで

嫌な思いばかりだったから

息子の参観日は行かない!

という子供を苦しめてしまうことを

やってしまったのです。

一つの例を挙げると「あいうえお」は

小学一年生で習うのだから

息子が小学生に上がるまでは

平仮名は教えていませんでした。

今思うと、スタートの時点から

息子はつまずいたのだと思います。

父への恨みと復讐心が結局は

息子が僕を恨んで死んで行く結果を招いたのです。

恨みや復讐心というものは

恨んだ対象だけではなく、

違う人をも精神的に傷つけ、追いつめ、

最終的には殺してしまうのです。

今これが分かっても

息子はもう帰ってきません。

ただ、僕に出来ることは

世の中に潜在的にいるだろう

親に恨みを持った人たちに、

僕の取り返しのつかない

本当にバカな行為をしっかり

公表して、息子のような悲劇を

少しでも減らすことです。

それが息子が命を絶ってまで

教えてくれた僕の生き方なのです。