亡き息子に捧げる

長男が自殺した父親が綴るあれこれです。息子を死に追いやってしまった自責の念は一生残ります。息子が僕に残した「お前の生き方は間違っている」というメッセージを心に刻み、日々もがいている自分の姿をそのまま書き綴りました。

バレンタインデー

意識の変化

昨年までバレンタインデーは嫌いでした。

それはチョコを貰えないからではなく

チョコを貰うからです。

会社の事務員さんとかからですが、

とにかく僕はこのめんどくさいやり取り、

要するにホワイトデーにはお返しをするという

非生産的な行為に嫌気がさしていました。

どうせお返しするなら

最初から何もしなくていいし

めんどくさくない。

そんな考えでした。

しかし、息子が自殺した今、

僕の意識が変わったのです。

元来僕は妻以外のあらゆる人とは

話したくも会いたくもないという感情があり

その延長で結局息子へも愛情が薄く

結果、息子は希望がなくなり自殺したのです。

その自殺で、

ただシャッターを降ろして人を嫌うのではなく、

厚意には厚意で返す楽しさ、

心の交流の大切さを

息子が教えてくれました。

人から物をもらうのは

めんどくさいと考えず、

貰ったらお返しをして、

そのやりとりも含め素敵な人間関係を構築する。

普通の大人なら当たり前に思ってる

こんな事でさえ僕は気づきませんでした。

本当にバカな大人ですね。

還暦間近になっていまさらですが、

息子が命を絶って僕に教えてくれた

大切なことは交流を楽しむこと。

もう息子には何もあげる事が出来ません。

だから自分が息子が望んだ人と人との

温かい交流が出来る人間になることしかないのです。

死をもって教えられた事の多さに

いまさらながら未熟極まりない自分を後悔しています...