亡き息子に捧げる

長男が自殺した父親が綴るあれこれです。息子を死に追いやってしまった自責の念は一生残ります。息子が僕に残した「お前の生き方は間違っている」というメッセージを心に刻み、日々もがいている自分の姿をそのまま書き綴りました。

機能不全家族(その1 僕が子供の頃)

三つ子の魂百までも

これは今まで僕のやってきた事を

正当化する話しではありません。

世の中には「本人の意志では変えるのが難しい」

こんな家族や世代間連鎖があるという話しを書き、

次男が将来結婚し

家族を持った時、

僕まで親子三代続いた

恨みの連鎖が続かないよう

また、僕のように親に恨みを

いだいている方にも

恨みがどのような不幸をもたらすのか

分かってもらえればと

備忘録として綴っております。

恨みの連鎖

僕は、小さいころから

学者だった父に

いつも聞かされていたのは、

農家だった祖父(父の父)が、

いかに父の気持ちを考えず、

長男なので跡取りにしたく、

寝食忘れるほど勉強が好きな父の事を嫌い

「農家の長男に学問や進学は必要ない!」

と勉強しているといつも怒られ、

小学校でやめさせらそうになったのを

押し入れに隠れてまで勉強し、

自分の力のみで、中学、高等師範学校

超難関国立大学、大学院に進学したという

「父(僕の祖父)への恨み話し」。

正直、耳にタコができるくらい

何度も聞かされていました。

そして僕が物心ついたころ、

父は祖父と最終的に絶縁してしまい、

結局僕は祖父に会った事は一度も無いのです...

こんな恨みがあったからでしょうか、

その裏返しが僕に降り掛かってきたのです。

勉強に関しては、

僕に対し常にクラスで成績1番を求める

父になっていました。

そして、母親もそれに従っていたのです...

また、スポーツ選手のことを

「運動なんてバカがやる事」

「頭の中味なんか無い奴らだ」

と運動を完全否定して、

ぼくには全く体育の成績は

求めてきませんでした。

しかし、これも頻繁に

聞かされていると

「運動で1番だって凄いことじゃないか!」

と心の中では反撥心がメラメラ

燃えたぎるようになって来ました...

でもそれを口にしたら

怒られ、叩かれるので、

心の中にとどめておくしか無かったのです。

そして、当初、勉強が特段嫌いだった

わけでは無い僕ですが、

クラスて一番以外、

テストで100点以外、

例え99点とっても

褒められもせず、

80点以下だと

晩飯も食わしてもらえないどころか

家の外へ放り出されるほど

怒られる日々が続くと、

自分に全く自信が持てなくなり

何をやっても俺はダメという

気持ちにしかならないのです。

ただただ、僕という子供は劣等感の塊...。

やがて、小学生も高学年になると

勉強や学問がこの世に存在している事自体に

恨みを抱いてしまい、

「こんなものなければ怒られないのに」

「勉強なんて苦しいだけ」

「学問なんて糞食らえ!!」

日々そう思っていました。

こうやって育った僕は、

中学、高校、大学と、

親への恨み、憎しみは増すばかり...

「絶対に俺の子供はお前(父)と

反対の育て方をしてやる!!!」

僕は中学生のころから

いつも心にはこの言葉が反復していたのです...

ただそのころの僕に

この恨みが将来自分の子供を

自殺に追い込んでしまうことなど

もちろん知る由もありませんでした...