亡き息子に捧げる

長男が自殺した父親が綴るあれこれです。息子を死に追いやってしまった自責の念は一生残ります。息子が僕に残した「お前の生き方は間違っている」というメッセージを心に刻み、日々もがいている自分の姿をそのまま書き綴りました。

息子が教えてくれた家族の絆

何気ない一日

息子が自殺するまで、

僕は亡くなった長男と、

いまいる次男とも

ほとんど会う機会を持ちませんでした。

僕は、まるで子供がいない親のように

ふるまっていたのです。

会う事も、心配することも無く、

厳密に言えば、

気にはしていた部分もありますが、

それを息子達に伝えないのは、

やはり気にしていないのと同等でしょう。

正月だからと言って、

家族で集まりたいとも思わず、

夫婦二人だけで旅したり...

でもそれは間違いだったのです。

息子が命を削って教えてくれました。

何も特別な日を作らなくても

ただ、会うだけ、食事するだけ、

話しをするだけの何気ない日を

過ごすことが大切だということ。

何気ない一日は奇跡の一日、

何気ないことは、素晴らしい事なのです。

明日、次男と三人で会います。

何をするでもなく、

妻の手料理を食べてもらうだけ。

それも奇跡の一日なのですから。

息子が死ななければ、

僕たちは、次男にも不幸な将来を

強いていたはずです。

亡くなった息子に感謝するとともに

やはり懺悔の気持ちがほぼ99%。

それでも僕たちは生きていくのです...