亡き息子に捧げる

長男が自殺した父親が綴るあれこれです。息子を死に追いやってしまった自責の念は一生残ります。息子が僕に残した「お前の生き方は間違っている」というメッセージを心に刻み、日々もがいている自分の姿をそのまま書き綴りました。

愛情に飢えていた息子(2)

タバコ

息子は中学生から

タバコを吸い始めました。

僕はタバコが大嫌いなので、

息子がタバコを吸っていることを知った時、

「お前は犯罪者だ!」

と罵りました。

息子がタバコを吸ったのは、

自分に関心がなく、

ほったらかしにしている僕への

「俺をもっと見てよ!愛情を注いでよ!」

というSOSだったとも知らず...

そして、僕はこのころから

息子とは話したくもなくなり

息子の行動の全てが嫌になり

憎しみを持つまでになって、

その後、自殺するまでの

18年近く、

親子とは言えない関係を

続けてしまったのです。

自分勝手過ぎるでしょうが、

これが僕という人間なのです。

いや、人間とは言えないでしょう。

もちろん、

何とかしないといけないと

何度も何度も思いましたが、

その思いは、ついに、

僕の脳内だけで終ってしまいました。

僕の愛情が無かったから

息子がタバコを吸った。

その行為だけで、

僕は息子を殺してしまったのです。

「お前は犯罪者だ!」

と言われるのは、

結局僕の方でした...。

あの日の僕の怒鳴り声に

ただただうなずいていた

中学生だった息子の姿が

今も鮮明に蘇ります...