亡き息子に捧げる

長男が自殺した父親が綴るあれこれです。息子を死に追いやってしまった自責の念は一生残ります。息子が僕に残した「お前の生き方は間違っている」というメッセージを心に刻み、日々もがいている自分の姿をそのまま書き綴りました。

妻はどこから来たのか

とてつも無い大きな存在

息子が自殺して半年近く、

妻は毎日、良く喋り、良く笑い、

よく歌っています。

息子の位牌に

毎日手作りの食事を出しているのは、

半年間全く変わりません...

僕はこのごろ不思議に思います。

命を懸けてまで生んだ息子が

自殺したのにもかかわらず、

こんなに普通の毎日を

僕に見せてくれる妻は、

もしかしたら神様ではないのかと...

もちろん大きな悲しみは

僕の比ではないと思いますが、

それを日頃はおくびにも出さないなんて、

やはり普通の人間では出来ないでしょう。

僕のいないところでは

泣いているという妻ですが、

僕は妻の前でも

いつも泣きたくなっています。

僕が何とか精神のバランスを保って

何とか生活出来ているのは

全て妻のお陰です。

いつか突然、

「私は神様の世界に還ります...」

なんて言われないか、

そんな妄想までしています。

人は、誰かに救われるのと

救われないのでは大きな違いがあります。

僕は息子を救わなかった...

なのに、僕は妻に救われている...

大きな矛盾を抱え、僕は生きていきます...