亡き息子に捧げる

長男が自殺した父親が綴るあれこれです。息子を死に追いやってしまった自責の念は一生残ります。息子が僕に残した「お前の生き方は間違っている」というメッセージを心に刻み、日々もがいている自分の姿をそのまま書き綴りました。

お菓子

息子の嗜好

自殺した息子は

食べ物の好き嫌いが激しく、

食べられるものは。

ほんの一握りでした。

そんなになってしまったのは、

僕が、息子が小さなころから

好き嫌いが多くても、

「だったら食うな」

としか思わなかったからです。

以前も書きましたが、

料理を工夫するとか、

好きなものを一つでも

増やす努力とか

そんな気持ちは僕にはなく

ただ、ただ、

好き嫌いが激しい息子を

「めんどくさい奴」

としか思わず、

何回も息子に対して

好き嫌いの多さをなじる言葉を

かけていました。

「お前、どうせ食べないだろう」とか、

「嫌なら食べるな」とか...

どうしてそんなに愛情が無かったのか、

それは僕にもわかりません。

ただ、僕は、

冷酷な人間だったという事でしょう。

そんな酷い仕打ちをしてしまった僕は、

今日、妻と二人で、

息子が好きだったお菓子を

買いに行きました。

いつも生花とお菓子は位牌の前から

切らすことはありません。

ただ、今日も僕は

息子の好きなお菓子は

知らないものばかり...

やはり子供に無関心極まりない親だった

という事を改めて懺悔したのです...

子供の嗜好を徹底的に知ることが、

親の第一歩だったかも知れません。

今では遅いのですが...