亡き息子に捧げる

長男が自殺した父親が綴るあれこれです。息子を死に追いやってしまった自責の念は一生残ります。息子が僕に残した「お前の生き方は間違っている」というメッセージを心に刻み、日々もがいている自分の姿をそのまま書き綴りました。

えこひいき

映画好きだったのに

自殺した息子(長男)は、

映画が好きでした。

しかし、僕は息子と一緒に

映画を観に行ったことは

一度もありません。

しかし、次男とは、何度も

二人で映画を観ています。

それだけで、僕の長男と次男への

愛情は大きく違っていたのです。

もちろん、映画だけではなく

あらゆる物事に於いても...

しかし、それは僕の父親が

僕と弟にして来たことに

似ているのです...

どうして、同じ子供でも

可愛さは違って来るのか?

それは今だから分かります。

僕は父と「うまくやれない」息子で、

弟は父と「うまくやれる」息子でした。

その関係は、僕の自殺した長男と、

弟との関係と全く同じだったのです。

「うまくやれる」の背景には、

まずは、生まれつきの性格。

それにプラスして、

生まれたときから

長男や親を観察して立ち振る舞いが

上手くなれる弟に対して、

未知の世界しかない長男は、

手本と出来る先人(兄)がいないから

きっと親子関係もギクシャクするという

ものがあると思います。

もちろん、僕の家庭に於いての話であり

こんなこと、

「まともな」家庭では無縁かも知れません。

ただ、子供を育てるときに、

もし兄弟、姉妹二人いるならば、

上の子供をより可愛がることが、

僕のような悲劇を生まない秘訣の

一つになるかも知れないと考えます。

えこひいき、

僕は徹底してして来ました...