亡き息子に捧げる

長男が自殺した父親が綴るあれこれです。息子を死に追いやってしまった自責の念は一生残ります。息子が僕に残した「お前の生き方は間違っている」というメッセージを心に刻み、日々もがいている自分の姿をそのまま書き綴りました。

季節は夏へ...

もし僕が生まれて来なければ

1月9日の夜中、

警察の方から起こされ

息子の自殺を知らされた

あの寒い日が、

遠い昔の出来事のように

季節はもう初夏...

遠い昔と書きましたが、

遠くもあり

また、昨日のようでもあります。

息子を失ってから5ヶ月近く、

起きている間は、

どんなことをしていても

息子のことが頭から離れることはありません。

あのとき、笑っていたな〜とか、

あのとき、あんなこと言わなきゃ良かったとか、

そしていつも最後に来る結論は同じで、

「僕がこの世に生まれなければ

息子はこんな悲劇にあうことは無かったのに...」

「僕がこの世に生まれなければ

妻はこんな悲しい思いをしなくて良かったのに」

「僕がこの世に生まれなければ

次男は兄を失うことも無かったのに」

ということです。

人から人生やり直せるなら

どの時点からやり直したいですか?と

聞かれれば、僕は必ずこう答えるでしょう。

「着床しなかった精子に戻りたい」...

季節が夏から秋、また冬になっても

きっと僕の頭の中は、

ずっとこの堂々巡りしかありません。

妻と弟を幸せにするべく前向きに

生きることとはまた別の問題です。

やはり僕は一生息子のことが

頭の99%を支配するのです。

そして、僕が死ぬ間際に思うのは、

妻のことでも次男のことでもなく

長男である息子のことでしょう。

妻や次男には悪いとは思いますが

きっとそうなるでしょう。

ただ、

妻も、次男も同じかも知れません。

でも、それでいいのです。

僕たち家族にはそれしかないのですから...