亡き息子に捧げる

長男が自殺した父親が綴るあれこれです。息子を死に追いやってしまった自責の念は一生残ります。息子が僕に残した「お前の生き方は間違っている」というメッセージを心に刻み、日々もがいている自分の姿をそのまま書き綴りました。

2018-01-01から1年間の記事一覧

暗闇に灯る

思わぬ光景・・・ 今朝6時半ごろ 息子の位牌がある部屋に入ると 暗闇に二本のローソクと線香が 光っていました・・・ どちらも電気式のものなので、 昨夜消し忘れたのでしょう。 ただ、初めて暗闇に浮かぶ ローソクと線香を見ると 息子が何かを言いたいので…

あと一週間

月日が経つのは早い 一週間後は息子の一周忌。 息子が自殺して もう1年を迎えようとしています。 身内だけの法要をしますが、 息子が眠るお寺では、 花とお菓子と 予め決められた金額の お布施だけを準備すれば 安心して全てが滞りなく行えるので、 特に準…

誕生日

死んだ子の年を数える 辞書には、 「死んだ子の年を数えるとは、 今さら言っても どうにもならないことを、 くよくよと思い煩うことのたとえ」 と書かれています。 しかし、 今日は息子の33回目の誕生日。 僕は口に出して、年を数え、 そして心からお祝い…

矛盾した死への思い

何にも怖くない・・・ 息子が自殺した今、 僕は生きることへの執着が 薄くなっているのは確かです。 もちろん自殺なんかしたら 家族が苦しむのは分かっているので、 積極的な「死」を 望んだりはしていません。 ただ、山奥を歩いていて、 「熊出没注意」「イ…

顔なじみ・・・

毎月の葬儀社訪問にて 先月も書きましたが、 僕は毎月息子の葬儀をしてくれた 葬儀社に葬儀代の分割分、 1万円を支払いに行っています。 今日、また葬儀社を訪ねると またもや先月と同じく、 息子の葬儀を担当してくれた男性が 応対してくれました。 彼の顔…

息子が知らせてくれたもの

義弟の悩みを知る 僕が会社に行っていて、 妻が休みの日に 妻の弟が自殺した息子に 会いに来てくれました。 素晴らしい花と香典・・・ 本当に有り難い限りです・・・ 妻と弟は二人で色んな話をして、 弟の悩みや苦しみを知りました。 そして、微々たるもので…

サンタクロースになった思い出

サンタが親と知らなかった頃 息子が小学校低学年のころ サンタクロースに 自転車をねだりました。 その頃の僕はまだ人の心があったのか、 大きな自転車を息子に見られないように 車の中に隠し、息子が寝たあと 玄関に置いておきました。 翌朝、息子がその自…

クリスマス

プレゼントした思い出は無い 今日はクリスマスイブ。 僕には自殺した息子に クリスマスプレゼントをした記憶が 全くありません・・・ イベント事が嫌いな僕の性格と 子供への愛情の無さが重なり そうなったのです・・・ 今思うのは、 クリスマスは親子の絆を…

自分の酷(むご)さを嘆く 心は人それぞれ・・・ 僕は酷い心をもっています。 いえ、 いました・・・。 父親に強烈な恨みを持ち続けた僕は、 子供を親への復讐の道具に していたことを気づかず ずっと子供を苦しめてきたのですから。 心・・・ やはり生まれ…

妻の優しさ(その2)

写真立て 友人から貰った息子の写真、 ずっとクリアファイルに 入れたままでした。 サッカーで貰った賞状も そのまま・・・ 僕は正直遺品を見るのも つらい気持ちで、 手にとることも苦しいほどです。 しかし、先日妻が、 賞状入れに賞状を飾り、 写真立てに…

何気ない日々にこそ子供を思う

死んでからでは遅いが・・・ 僕は息子が元気な時、 毎日息子を思うことはありませんでした。 時折、心配になる事はあっても 心の底から息子に愛情を感じ、 息子の行く末を気にすることは 無かったのです。 そして、息子は自殺。 この日から僕が息子の事を考…

SOSを受信できない親

次男が高校生のころ 自殺した息子が 22歳位のころだったでしょうか、 その頃高校生だった次男が 僕たち夫婦の部屋に来て、 「兄ちゃんあるだけのお金を CDにつぎ込んでいる そんなお金の使い方おかしいよ 何とかしてよ」 そう言ってきました。 その時、僕…

一瞬の隙間時間に入ってくる思い

何故、愛情が持てなかったのか 起きているのは、 一日の中で18時間くらいでしょうか。 その時間の中の大半は 息子の事を考えています。 もちろん仕事したりご飯を食べたり 普通の生活をしていますが、 少しでも時間の隙間があると そこは息子の思いで充満…

息子の一人旅

今思えば・・・ 自殺した息子は小さな時から 一人で遠方まで出かけていました。 小学校1年生くらいの時、 自宅から20km位にある 妻の実家まで一人で 自転車で行った事があります。 僕たちは息子がいなくなり 心配していたところ 妻の母から連絡があり …

普通に一生を過ごせる確率

当たり前という奇跡 僕の息子は僕という親がいたので、自殺して一生を終えなければいけませんでした。僕は、兄弟三人ですが、いわゆる「普通の人生」を送っているのは弟一人だけです。両親は一生懸命子育てをしたのにもかかわらず。人生って本当に謎しかあり…

父の十三回忌法要

自分の正直な気持ち 今日は父親の十三回忌法要でした。 僕の息子も父と同じ 納骨堂に納められているので、 父の十三回忌とは言いながらも 息子の事が優先して頭に浮かびます。 そして、一緒に眠る二人の 相容れない嗜好も 気になるところなのです。 法要の前…

生まれ変わり

あるのか?ないのか? 息子が自殺して、 生まれ変わりの事などを 毎日思うようになりました。 それまでは、 そんな事考えたことも無かったのに。 生まれ変わるのが、 幸せなのか、 そんなことしないのが 幸せなのか、 息子の魂に問いかけたい・・・ でも何も…

人間育て

子供の無病息災を祈る 子供が元気に暮らしているか。 そんな思いを親がするのは、 ごく自然なことで、 当たり前でしょう。 しかし、僕にはこの当たり前が 全く当たり前では無かったのです。 息子が苦しんでいると聞いても 正直、他人事のようにしか 感じられ…

妻の弟

やっとお知らせ出来た安堵感 今年の1月9日に 息子の自殺を知ってから 1年近く、妻の弟には 息子の死を知らせていませんでした。 そして先週、喪中はがきを出し、 ようやく知らせる事が出来ました。 息子が元気だった時を知る 大切な義弟なのに、 そのまま…

他人の子供を褒めると・・

親子の好循環 親の手伝いをしている子供を 褒めると誰が一番嬉しいのか? それは子供自身ではなく親です。 他人の僕から 「お手伝いして凄いね!偉いね!」 と子供に話しかけると、 一番笑顔になっているのは、 横にいるお母さんです。 そして、お母さんも子…

うつではない

息子が自殺した根本原因 息子はうつ状態に なっていたのではなく 僕が精神的に虐待し続けたから うつっぽくなっただけでした。 うつ病とされる人の原因には きっと僕のような親に 育てられた事が原因となっている人は、 一定数いるのではないでしょうか。 僕…

勝手な思いだが・・・ 妻と旅行中、 滝を見ていたら 水の流れに いきなり虹が出ました・・・ 虹が出る直前に 妻が心の中で 「○○(息子の名前)ありがとう」 そう言ったそうです。 息子をないがしろにした僕に 息子が虹を見せてくれたとか 虹になって現れたな…

遺体発見日から11ヶ月

早いのか遅いのか 息子の遺体を親友二人が 発見してくれてから 今日で11ヶ月経ちます。 もう11ヶ月、 まだ11ヶ月。 僕の胸のうちには、 どちらもあります。 僕の息子を見殺しにした人生が 早く終わって欲しい気持ち、 しかし、 次男を幸せにする時間が…

喪失感に襲われる

ふとした時に・・・ 昨日一人で家にいる時、 何故か急に 息子が「いない」事に 大きな喪失感を感じました。 もちろんずっと感じてはいますが、 何か急にすごく感じたのです。 僕は、死ぬまでこの喪失感を感じ、 共に生きていかねばなりません。 ただ、喪失感…

次男の今後

どちらにしても明るい・・ 息子(長男)が自殺して、 やっと家族のあり方が わかった僕ですが、 この一年は長男が自殺した事で、 次男の苦悩を知り、 家族三人で、 その苦悩を解決する 時間となりました。 一年前の次男と、 今の次男では、 恐らく今のほうが…

11回目の月命日

来月は一周忌 今日12月6日は、 息子が命を断って、 11ヶ月目となります。 毎月書いているようですが、 月日が経つのは早い・・・ ひと月後は息子の一周忌法要です。 この11ヶ月、 僕がこれからどうやって 生きていくのが、 息子の遺志に叶うのかを ず…

息子が笑った夢を妻が見た

嬉しいけど悲しい 今朝起きて妻が、 「○○(息子の名)の夢をみたよ 笑っている夢。 白いシャツを着ていた」 そんな話をしました。 笑っていたのか・・・ 嬉しいけども やはり悲しい身持ちです・・・ 夢を話してくれた 妻には感謝ですが・・・

全てが小さな出来事

息子を失う以上のものは無い 世の中では色んなニュースが流れ みんな一喜一憂しています。 僕は息子を自殺で亡くして、 どんな出来事が起きても 怒ったり、悲しんだり、 あまりしなくなりました。 以前も書きましたが、 それは、人生において 息子がこの世に…

バームクーヘン

妻の記憶 昨日は妻と買い物に行きました。 そこで、妻は息子が好きだった バームクーヘンを買ったのです。 何回か書きましたが、 僕は息子の好きな食べ物は ほとんど知りませんでした。 タバコが好きなのが憎らしく 正直無視していたのでしょう。 子供のこと…

子供の笑顔

ふれ合う事 僕は17年間ほど 息子と殆ど会うこともなく 会話する事もありませんでした。 だから息子の心からの 笑顔を見た記憶は 中学二年位のころのもの。 疎遠になったのは、 勿論全てぼくのせいで、 息子が寂しさのあまり タバコを吸い始めたからです。 …