亡き息子に捧げる

長男が自殺した父親が綴るあれこれです。息子を死に追いやってしまった自責の念は一生残ります。息子が僕に残した「お前の生き方は間違っている」というメッセージを心に刻み、日々もがいている自分の姿をそのまま書き綴りました。

2018-03-01から1ヶ月間の記事一覧

息子の苦しみを想像する事

今更遅くても意味はある 僕は息子が自殺するまで、長い間苦しんでいたのを無視して生活していました。いや、無視と言うより、全く気にしていなかったのです。お金がなくて、家賃が払えない状態になり切羽詰まっていた息子のことを何も気に留めていませんでし…

みかん

息子の好物 妻はみかんが好きなので、 買い物に出かけた時、買って帰ったら、 「○○(息子の名前)にもあげとこう」 「みかん好きだったから」 と言って位牌の前に置いたのです。 (仏壇は買えないのでまだありません) その言葉を聞いて、 またもや僕は息子…

小さな男の子を見ると

他人とは思えない 僕が働いている店には、 お母さんやお父さんと一緒に子供が来ます。 今は春休みなので、特に親子連れが多いです。 そんな家族をみるたび、 子供をみるたび、 特に男の子を見るたびに 息子のことを思い出し、 ずっと大きくなっても こんな親…

息子が近くにいる?

タバコの臭い 今日は、朝と夜の二回 一瞬タバコの臭いがしました。 以前も書きましたが、 息子はタバコを吸っていました... それも原因の一つで、僕が息子と 会いたくないし、 同じ家に住みたくなかったのですが... 僕も妻もタバコは吸わないので、 家の中で…

子供を産む前に

自分の生い立ちを振り返る事 ほとんどの親は子供が生まれると 嬉しくて仕方ないと思います。 僕も全くそうでした。 息子が生まれたときは、嬉しくて、 本当に良かったと思ったものです。 それが、最終的に息子を 死に追いやってしまうことになった原因は、 …

子供の心

子心親知らず…親心子知らずなんて言いますが、僕はその逆でした。息子の苦しい思い、悲しい心、虚しい気持ち、多くの悩み…何にも向き合っていませんでした。今更遅いのですが、これからは子供の心に寄り添える人間になれるよう出来るだけ子供を連れて行く施…

何を考えて育てていたのか...

子供の苦しみ 思い起こせば、僕は自分勝手な子育てをしてました。息子が中学生の時、ズボンがポロポロに破れていても新しいものを買ってやらず、給食費も払うのが遅れ、先生から催促の手紙をもらったり外食したりするお金はあったのに息子の事には振り向けて…

日増しに強くなる罪悪感

原因が分かるから 息子が自殺したのは、 生活が出来なくなったのに 僕が何も助けなかったからです。 よく、身内が何で自殺したのか 原因がわからず、自分を責めている親とか 配偶者がいたりしますが、 僕の場合は100%はっきりしています。 息子の遺書に…

息子が来ていた?

親の気持ち お彼岸の日、息子が眠る納骨堂の 二つ先の扉が開いていました。 僕は息子のお参りを済ませ、 妻と、次男に場所を譲るため、 奥に避けたのですが、その目の前が 二つ先の納骨堂でした。 必然的にその中は視界に入って来ます。 その視界には、アン…

お墓参り

息子が作ってくれた家族 昨日も書いたように お彼岸の中日は息子のお墓参りでした。 正確に言えば父と同じ 納骨堂に入っているので、 父と、息子なのでしょうが、 僕はお墓の前で手を合わせる時には、 息子のことしか思い浮かべず、 父に悪い事をした気分が…

お彼岸

春分の日 今日は息子のお墓に行きます。 家族3人で。 あ〜3人になってしまったんだなぁ... やっぱり4人って書きたい... でも 永遠に4人ではない悲しさ。 あの世がどんな世界なのか 僕にはわかりません。 息子の魂があるのか無いのか、 お墓にいるのかい…

12歳のままだった息子

生きて行く術を与えなかった僕 僕は息子に何を思っていたのか。 きっと僕の父への復讐の道具にしか 思っていなかったのでしょう。 以前書きましたが、僕は父親に ずっと深い恨みを抱いて育ち、 また社会人となってからも 恨み続け、父が亡くなった時、 正直…

時間とともに

悲しみや後悔の大きさ 時が経てば心の痛手も和らいでくるとは 言いますが、 息子の自殺は、一般的に言われるものとは全く逆です。 少なくとも僕の場合は... 日々、息子が生まれた時、赤ちゃんだった頃の顔、 一緒に絵を描いたこと、テレビゲームをした事、 …

妻への懺悔

命懸けで産んでくれたのに 母親というもの子供を産むのは 命懸けのこと。 なのに僕はそんな息子を大切にしなかった。 妻は何のために命までかけたのか。 それを考えれば考えるほど、 死にたくなる... 僕は本当に最低な夫だと、 自分を卑下したところで、 何…

子孫繁栄

孫 自殺した息子が何年か前に妻に言ったこと 「なかなか孫の顔が見せられなくてごめんね」 妻は、この時、そんなの気にしなくていいと言う風な ことを言ったそうです。 妻は、経済的に独立出来ない息子に気遣って、 そう言ったのもあるでしょう。 僕はそんな…

子供を虐待する親

今なら理解出来る 自分の子供を虐待死させてしまった親が 逮捕されたりするニュースが頻繁にあります。 もちろんコメンテーターは親に対して 辛辣な意見しか言いませんし、 もし理解出来るなどと言うもんなら 袋だたきに合うでしょう。 僕も同じでした。 で…

休日

一人だと.. 今日は仕事が休みでした。 妻はパートなので、家には僕一人。 そんな時はどうしても息子のことばかり考えます。 一生、片時も離れない息子の思いですが、 一人になると特に考えてしまいます。 あの時、何であんな態度をとったんだろう... そんな…

僕の失敗の原因

産まれた時は嬉しかったのに いつも思います。 後悔しています。 なんで息子との関係が、 最終的に息子の命を削らせてしまう結果になったか... 生まれた時は嬉しくて、 小さい時の息子は可愛くて、 遊んだりゲームしたりしていたのに、 中学生三年になるころ…

息子が生まれた意味

生まれた使命とは 人はそれぞれ使命を持って生まれるということが 自己啓発本などによく書かれています。 それでは、息子の使命って何だったのか? まさか、僕に親として人としての 再教育をするために 生まれただけなんてことはないはずです... ただ、僕が…

愛情の反対は?

言葉では分かっていても 愛情の反対は憎しみ... ではありません。 愛情の反対は無視です。 僕はこのことを分かっていながら 結局、息子のことをしっかり見なく、 というよりも 見ないようにしていたのです。 無視ですね... 僕が全部息子の人格を形成したくせ…

仏壇

優先するもの息子の位牌はあるものの、仏壇はまだありません。理由は経済的な事です。もちろん他のことに最優先すれば買えない事はないでしょう。息子への懺悔の気持ちがあるならそれが当然かも知れません。ただ、息子が望んだ「弟は守って」という遺言を思…

依存症の原因

テレビを見て 昨夜テレビを見ていたら、 ギャンブル依存症になった人の 原因について専門家が語っていました。 それは幼い頃、褒められた経験が無いと 嬉しい時、快感と感じる時に 脳からドーパミンが出なく、 他のもので快感を感じ、 ドーパミンが出る習慣…

誰が一番悲しむのか

大切に思っていたのは誰?、 僕は親として息子にどれだけの愛情があり また息子をどれだけ大切に思っていたのだろう。 もちろんどちらも欠如していました。 そして、息子が自殺して一番悲しくつらいのは、 いったい誰なんだろうということです。 少なくとも…

他人事とは思えない

音信が途絶えるという事 僕は、ここ数年、 息子と会う事も、話す事も していませんでした。 無関心といえばそうなのですが、 学歴も無く、仕事にも困っているであろうことは 想像していなかったわけではありませんでした。 でもそこまで....。 息子が自殺し…

覚えていないけど息子の夢を見ました。自殺して、初めての息子の夢。2回目の月命日の夜でした。ただ、夢を見たのは間違いないのですが、どんな夢だったかは、何も覚えていないのです。でも、息子が夢に出てくれたのは、正直嬉しい気持ちです。僕に何か言いた…

二回目の月命日

月日が経つのは早い 今日は3月6日。 息子が自殺してからもう2ヶ月です。 本当に早いと感じました。 そして、この2ヶ月間、ひとときも 息子のことが頭を離れることはありませんでした。 生きている時には、あまり気にもしなかった息子の事を こんなに考え…

息子との対話

位牌に向かって... 納骨をしたので、 遺骨と入れ違いに家には位牌が来ました。 戒名は僕が付けたのです。 まさか生まれた子供と死んだ子供に 名前を付けるなんて、思いもしませんでした。 その戒名が刻まれた位牌に向かい、 毎朝、毎晩、息子と対話します。 …

毛嫌い

頭ではわかっていても 僕は息子を毛嫌いしてました。 その最たるものが、タバコ。 正直僕はタバコを吸う人の息の臭いで 咳き込む位にタバコが苦手なのです。 同じ家に住んでいた時、 少しでもタバコの臭いがあると とても嫌でした。 結局、その面だけクロー…

息子の長所

見て見ぬ振りをしていた僕 親ならば、自分の子供の長所は分かるものだし、もし気づかないなら親としては問題があるでしょう。僕は、後者ではありませんが、気づかない親よりも、ずっとひどい親でした。納骨の日、息子の親友二人から聞いた息子のエピソードは…

僕が背負うもの

親よりも親友 僕が息子への愛情が薄いものだった反面、 納骨に来てくれた息子の親友2人は 息子への友情を超えた愛情にも似た気持ちは とても強かったと思います。 遺体を見つけてくれたのも二人だし、 ここ何年も一番会って話していたのも二人だし 会話もな…