亡き息子に捧げる

長男が自殺した父親が綴るあれこれです。息子を死に追いやってしまった自責の念は一生残ります。息子が僕に残した「お前の生き方は間違っている」というメッセージを心に刻み、日々もがいている自分の姿をそのまま書き綴りました。

他人事とは思えない

音信が途絶えるという事

僕は、ここ数年、

息子と会う事も、話す事も

していませんでした。

無関心といえばそうなのですが、

学歴も無く、仕事にも困っているであろうことは

想像していなかったわけではありませんでした。

でもそこまで....。

息子が自殺して3日後発見したのは

友人だったというほど僕は

息子をないがしろにしていました。

ニュースを見て

昨日、歌手の北島三郎さんの次男が

病気で亡くなったとのニュースで、

遺体発見まで亡くなってから一週間以上経っていて、

しかも親子で会ったのは、1月初めと聞いて、

僕は他人事に思えなくなりました。

忙しい北島三郎さんと僕を比較するなんて

出来ませんが、どちらも親には変わりありません。

インタビューでは気丈なことや息子への愛情を

語っていましたが、僕にはもっともっと

人には言えない、親子の深い関係性や、

苦しい苦しい思いがあるはずだと感じました。

僕が息子を失っていなければ、

な〜んだ、死んだのか。

売れなかった放蕩息子だから仕方ない...

なんて残酷な判定を下していたでしょう。

そう考えれば、人の悲しみ、痛み、苦しみに

寄り添うことが少しは出来る自分に

成長したのかな?なんて思います。

これも僕の息子が命を削って教えてくれた

大切なことなのです。

息子には何も恩返しも、謝罪も出来ませんが、

今の僕が少しでも人に優しく出来るようになる事が、

せめてもの償いなのかも知れません。