亡き息子に捧げる

長男が自殺した父親が綴るあれこれです。息子を死に追いやってしまった自責の念は一生残ります。息子が僕に残した「お前の生き方は間違っている」というメッセージを心に刻み、日々もがいている自分の姿をそのまま書き綴りました。

刑務官の話

犯罪者は悲しい人ばかり

ある刑務官が話していた事です。

「刑務所に入っている人は、

その殆どが、

不幸な人ばかりなんです・・・

彼らの生い立ちを聞いたら

まともな社会人になれるような

環境では無かった事が

よくわかりますよ・・・

生きる為に犯罪に

手を染めるしかなかったか、

それとも犯罪自体への認識が無いか、

心の傷がそうさせたのか・・・

そんな人ばかりなんですよ」

これを聞いた時、

僕は他人事としか

思っていませんでした。

しかし、

僕の息子は、

僕の父への恨みを晴らす道具になり

まともな社会人には

なれませんでした。

その意味で息子の半生は、

多くの犯罪者と同じです。

ただ、一つだけ違うのは、

他人を誰も傷つけることも無く、

裁かれるような非道もせず、

ただ一人自死を選んだ事です・・・

その息子のお陰で、

僕には息子を自殺で亡くした

可愛そうな親として、

世間の目は優しいままです・・・

本当は真逆なのに・・・

息子に感謝すべきなのか、

それとも

息子は感謝なんかされたくないのか、

正直わかりません・・・

でも僕は息子が

犯罪に走らなかった事を

感謝しています・・・

それは、息子が命を持って

教えてくれた

大切な事を実践出来る

機会を与えて貰えた事に対してです。

もし息子が人を傷つけたりして

犯罪者となって

裁かれていたならば、

今の僕たちの生活は

あり得ないし、

次男の将来も苦しいものに

なったはずですから・・・