人の運命
愛されない・・・
息子は僕に愛されていませんでした。
いえ、それどころか
僕から疎んじられ、
憎まれ、無視されていました・・・
そんな親の元に生まれた息子は、
きっと、もがき、苦しみ、
一人で精一杯生きて来たのでしょう。
それでも僕は息子の気持ちを
考える事はなかったのです。
結果、32歳の誕生日を迎えた
一週間後、息子は命を絶ちました・・・
「愛情」というものが持てなかった
僕に全て非があります・・・
その愛情が湧かなかった原因は、
僕が父親を心底恨んで、
その恨みを晴らすことだけに
人生を賭けていたからです・・・
そこだけにしか
人生の意味を
見つけていなかったのです。
いや、見つけられなかったのです。
こんな心が壊れた親なのに
息子は僕に何の迷惑もかけず
死んでいきました・・・
非がある僕は生きていて、
被害者の息子は自殺した・・・
人の運命・・・
いったい何が運命なんでしょう・・・