亡き息子に捧げる

長男が自殺した父親が綴るあれこれです。息子を死に追いやってしまった自責の念は一生残ります。息子が僕に残した「お前の生き方は間違っている」というメッセージを心に刻み、日々もがいている自分の姿をそのまま書き綴りました。

12歳のままだった息子

生きて行く術を与えなかった僕

僕は息子に何を思っていたのか。

きっと僕の父への復讐の道具にしか

思っていなかったのでしょう。

以前書きましたが、僕は父親に

ずっと深い恨みを抱いて育ち、

また社会人となってからも

恨み続け、父が亡くなった時、

正直ほっとして、涙も出なかったほどでした。

そんな父から受けた愛情や、金銭的な援助には

まったく目を向けず、ただただ、

テストの点数が80点以下だったとき

家を出されて晩飯を食わせてもらえなかった

思いなど、とにかく「学問」にまつわる

恨みを抱き続けた結果、結局息子には

学問どころか何も教えていなく、

経済的な援助もしなく、

年齢は32だったけど、生き抜く力は

何もない、12歳のままだったのです。

それを僕が、年齢だけで、大人だと

自分勝手に考えたから

こんな悲劇的な結果になったのです。

人を恨むことは、本当に何も生まない、

いや人を殺してしまう恐ろしいもの。

僕と同じように親に恨みを抱いて

成長している人がいれば

僕のやってしまったことを

さらけだしてお話しして、

人を恨むのは、

自分の人生を破滅させることと

理解してもらいたいと思っています。

僕の体験を世間に広く伝えていくことが、

息子の死への意味をもたせるのなら

大いに恥をさらしたいと思っています。