亡き息子に捧げる

長男が自殺した父親が綴るあれこれです。息子を死に追いやってしまった自責の念は一生残ります。息子が僕に残した「お前の生き方は間違っている」というメッセージを心に刻み、日々もがいている自分の姿をそのまま書き綴りました。

息子が来ていた?

親の気持ち

お彼岸の日、息子が眠る納骨堂の

二つ先の扉が開いていました。

僕は息子のお参りを済ませ、

妻と、次男に場所を譲るため、

奥に避けたのですが、その目の前が

二つ先の納骨堂でした。

必然的にその中は視界に入って来ます。

その視界には、アンパンマン

お菓子など、どう考えても

子供が好きなものばかり入っていました。

そして、その横に赤ちゃんの写真が...

この親御さんはきっと手を尽くしたのに

可愛いお子さんを亡くされたのでしょう。

手を尽くしたのに...

それに引き換え、病気でもない息子を

冷たい態度で無視し、

死に追いやってしまった僕。

同じ列の納骨堂で、

こんなにも違う最後を遂げた子供二人。

なんだか息子が、ここに来て、

その扉を開けさせていたような、

「おい、お前、これを見ろよ!」

「愛情いっぱいで亡くなるのと

捨てられたように死んだ俺との違いを」

そう言っている気がして、

妻と、次男がお参りしている時間、

その納骨堂ばかり見ていました...

息子が開けさせたのならば、

それは感謝するしかありません。

僕に改めて考えさせる機会を

与えてくれたのですから。