亡き息子に捧げる

長男が自殺した父親が綴るあれこれです。息子を死に追いやってしまった自責の念は一生残ります。息子が僕に残した「お前の生き方は間違っている」というメッセージを心に刻み、日々もがいている自分の姿をそのまま書き綴りました。

兄が弟を護っているに違いない

偶然の転職が幸運をもたらす

昨日のお彼岸、長男の墓参りで、

次男の家に迎えに行きました。

その時、車に乗り込んだ次男が、

「給料10万円昇給したから

もう援助しなくていいよ」

そう言ったのです。

入社半年で10万円の昇給は

会社始まって以来最短だそうで、

仕事の内容が次男に合っていたからだと

本当に嬉しくなりました。

次男が大学を卒業し、

就職して以来数年間、

ずっと経済的に苦しんでいた事を

僕が知ったのは、

長男が自殺したあと、

葬式をきっかけに次男と

会うようになってからでした。

また、当時の仕事が、

派遣社員というのも

このころ知った事でした・・・

そして、半年後、次男は、

派遣の契約期限が終わり、

社員を目指し転職しました。

しかし就職が決まっていた会社の

業績が悪くなり

内定が取り消された後、

偶然みつけた「物を書く仕事をする会社」

に転職したのです。

以前から「物を書く」(ライター)

仕事がしたかった次男には、

ぴったりはまる仕事内容だったようです。

そして、半年後の大幅な昇給。

この一連の流れを体験してみると

どう考えても

自殺した長男が、

次男を護っているとしか考えられません。

長男の自殺後わずか一年間で、

次男の経済的な諸問題は片付き、

就職先の内定が取り消された直後に

大好きな仕事に就け、

収入は二倍になっているのですから。

僕が、勝手に長男が護っていると

言うのは、長男からしたら

片腹痛いかも知れません・・・

それでも僕は、

長男に感謝するしかないのです。