亡き息子に捧げる

長男が自殺した父親が綴るあれこれです。息子を死に追いやってしまった自責の念は一生残ります。息子が僕に残した「お前の生き方は間違っている」というメッセージを心に刻み、日々もがいている自分の姿をそのまま書き綴りました。

息子が命を削って教えてくれたもの(2)

家族の未来を考える

僕は長年自営業をやってきました。

その時人から良く聞かれたことがあります。

「息子さんに会社を継がせるの?」

その時、いつもこう答えていました。

「いいえ、まったくその気持ちはありません

息子は勝手に自分の好きなように生きればいいと思います」

今、息子が自殺して思う事は、

こんな考えだったから、家族への愛情に欠けるところがあったのだと。

可愛い息子が将来安心して暮らせるように

自分の会社を盤石にするぞ!という意志がなく、

結局会社もうまくいかず、

息子もこのようなことになってしまったのです。

事業家だからとかサラリーマンだからではなく、

子供に継承出来る何かを残す「意志」こそが

親として大切なことだと分かりました。

息子が死んでからでは遅いですが、

これは息子に教えられた

大切なことの一つです。