亡き息子に捧げる

長男が自殺した父親が綴るあれこれです。息子を死に追いやってしまった自責の念は一生残ります。息子が僕に残した「お前の生き方は間違っている」というメッセージを心に刻み、日々もがいている自分の姿をそのまま書き綴りました。

親子四代の恨みを断つ

息子が生まれた意味

生まれた意味などと

高尚なことを考えるのは

好きではありません。

よく、「あなたが生まれたのには

意味があるんです」

などと自己啓発本などにも書かれていますが、

やはりそんな意味を見いだすのは

好きではありません。

ただ、息子が生まれ自殺した意味を

どうしても考えてしまうのです。

もちろん、僕の愛情が無かったから

死んだのですが、それならば、

何の為に生まれてきたのか...

そう考えるのは息子に対して

冒涜かもしれません。

しかし、僕はこれから生きて

生きて、生きて、妻と次男を幸せにし

僕が死んだとしても

二人が、そして次男の未来の家族が

何も困らない状態にするしかないのです。

だから冒涜かもしれないけれど

考えてしまいます...

息子はきっと親子四代にわたって

続いた「恨みの連鎖」を断ち切るために

生まれてくれたんだと...

祖父、父、僕、息子、

四代に渡って

すべての親子関係は「恨み」でした。

もしかすると祖父の父やそれ以前も

恨みの親子関係だったかも知れません。

もちろん息子が僕を恨んだのは、

僕に原因がありますが、

やはり恨みは連鎖していました。

でも「恨むこと」=「人を殺すこと」と

息子の死をもって初めて理解出来たのは

僕なのです。

だから次男の未来の家族が

恨みの連鎖とならないよう

僕がしっかり生きていき、

息子が教えてくれた

「恨んではいけない」

という大切なことを

子孫に伝えていくのです。

息子が生まれてきた意味...

そんな意味なんて

本当は無い方がいいに決っています。

でも今の僕は前を向く為にも

息子の生まれてきた意味を噛み締め

生きていきます...