亡き息子に捧げる

長男が自殺した父親が綴るあれこれです。息子を死に追いやってしまった自責の念は一生残ります。息子が僕に残した「お前の生き方は間違っている」というメッセージを心に刻み、日々もがいている自分の姿をそのまま書き綴りました。

家庭教師

寂しかった息子

自殺した息子が中学1年の3学期、

家庭教師を雇いました。

雇ったというのは、

新聞のチラシに

「家庭教師募集」と出したからです。

そして、数人の応募があり

自宅に来てもらい息子と僕とで

「面接」しました。

僕の育て方によって勉強が嫌いで、

成績も悪かった息子に

家庭教師をつけようか?

という話しをした時、

「一緒に遊べる人がいい」

と息子は言いました。

面接した中に、

そんな「遊べる人」に

ピッタリな教員を目指して

勉強している素晴らしい男性と

巡り会ったのです。

その男性は中学3年の一学期まで

家庭教師をしてくれました...

僕たち家族と公私ともに

深いつき合いをしてくれました。

それでも息子は高校受験を

することはなかったのです。

今考えると、

「一緒に遊べる人がいい」

と息子が言った時点で、

僕は、息子の寂しさを

わかるべきだったのです。

勉強が出来ても出来なくても

そんなことよりも

人間として成長するには

親子の心のふれ合いがなければ

何の意味もないのです。

結局僕は、その家庭教師に

お任せしてしまったのです。

中学の多感な時期を

親の愛情もあまり受けずに

育った子供がどんなに

悲しい気持ちになったのか。

僕の後悔は永遠に続きます...