亡き息子に捧げる

長男が自殺した父親が綴るあれこれです。息子を死に追いやってしまった自責の念は一生残ります。息子が僕に残した「お前の生き方は間違っている」というメッセージを心に刻み、日々もがいている自分の姿をそのまま書き綴りました。

殺人未遂

恨みは弟へ

僕が小学生のころ

自分は怒られてばかりなのに

父親は弟だけを可愛がると

思い込んでいました。

実際にそうであったかも知れません...

だから弟さえいなくなれば

僕が可愛がられると思っていました。

いや、少なくとも

僕よりも可愛がられる頭のいい弟を

心の底ではずっと

何年も憎んでいました。

そして、ある日僕は

弟を殺してやろうと

実行に移したのです。

もちろん、

本当に殺してしまうとまでは

思っていなかったでしょうが、

当時はとにかく弟が恨めしかったのです。

僕は事前に弟の自転車のブレーキを効かいよう

細工して急坂を降りるように言いました。

「なんかブレーキが効かないみたい」

と言う弟に

「大丈夫、気のせいじゃないの」

そう言った僕。

その結果弟はかなりの怪我をしました...

小学生の頃から僕の残酷で、恨み深く、

暗い性格は沸々と醸造されていたのです。

結局、僕は息子を死に追いやってしまうという

最悪の結果を生んでしまいました。

多くの人には考えられなく

信じられないような愚かな話しだと

思われるでしょう...

しかし世の中には僕のような人も

いるかも知れません。

人間は表面を見ても決して

その中味はわからないのです。

だからこそ、

小さな頃からの親子のあり方は

とても大切なのでしょう。

恨むことは人を殺す事...

今更気づいても遅いことばかり...

自殺した息子に謝っても謝りきれません...

もちろん弟にも...