亡き息子に捧げる

長男が自殺した父親が綴るあれこれです。息子を死に追いやってしまった自責の念は一生残ります。息子が僕に残した「お前の生き方は間違っている」というメッセージを心に刻み、日々もがいている自分の姿をそのまま書き綴りました。

育児放棄

32年間息子を苦しめたもの

きっと僕は育児放棄

していたんだと思います。

いや、そんな意識は無かったのですが、

結果的には育児放棄でしょう...

まず、子供の将来を

こんなふうにしてやりたい

だからこんなに育って欲しいという

夢も理想もありませんでした。

ただただ、僕は成績に厳しかった

父への恨みを晴らすことだけ、

それだけを考えて生きていたのです。

だから可愛いはずの息子に

生活出来る程度の教育も

与えてやらなかったのです。

そして、中学三年以降、

タバコを吸い始めた息子と

普通の会話すらするのが

嫌になってしまいました。

全ては僕の責任なのに...

育児放棄という言葉は

僕のためにある言葉です。

その育児放棄をしてしまう背景には

親の育った環境もありますが、

やはり、それを乗り越えないと、

悲劇の連鎖は止まりません。

乗り越えると言っても

簡単ではないのは

体験者だから良くわかります。

そして育児放棄した親の気持ちは

育児放棄した僕にしかわかりません。

だからこそ僕はそんな人と関わって、

僕が子供を死に追いやた体験を

話し、悲劇の連鎖が一つでも止まればと

思う毎日なのです。