生きるための息(いき)
無意識にとった行動
自殺した息子が赤ちゃんのころ
橋の上での出来事を
今も鮮明に覚えています。
車の窓を開けて、城ヶ島大橋を渡る時、
強い風に当たった息子は、
息が止まりそうになりました。
小さな鼻や口では、
その風に耐えられなかったのでしょう。
慌てて窓を閉めて、呼吸は戻りましたが、
この時、大人の感じる心地良い風が、
赤ん坊には、生死を分けるほどの
強風だったという事実に気付きました。
僕は、この時のことを
すっと忘れていなかったのに、
息子が大人になり、
生死を分けるほどの苦しさが
あったのにも関わらず、
僕は全く分かってやることなく、
息子は赤ん坊の時とは反対に
命を絶つ行為をしてしまいました。
生きるのに、呼吸をするのに
全身を震わせていた赤ん坊の息子、
今でも時々脳裏をかすめます...