亡き息子に捧げる

長男が自殺した父親が綴るあれこれです。息子を死に追いやってしまった自責の念は一生残ります。息子が僕に残した「お前の生き方は間違っている」というメッセージを心に刻み、日々もがいている自分の姿をそのまま書き綴りました。

生きるための息(いき)

無意識にとった行動

自殺した息子が赤ちゃんのころ

神奈川県三浦半島城ヶ島に渡る

橋の上での出来事を

今も鮮明に覚えています。

車の窓を開けて、城ヶ島大橋を渡る時、

強い風に当たった息子は、

息が止まりそうになりました。

小さな鼻や口では、

その風に耐えられなかったのでしょう。

慌てて窓を閉めて、呼吸は戻りましたが、

この時、大人の感じる心地良い風が、

赤ん坊には、生死を分けるほどの

強風だったという事実に気付きました。

僕は、この時のことを

すっと忘れていなかったのに、

息子が大人になり、

生死を分けるほどの苦しさが

あったのにも関わらず、

僕は全く分かってやることなく、

息子は赤ん坊の時とは反対に

命を絶つ行為をしてしまいました。

生きるのに、呼吸をするのに

全身を震わせていた赤ん坊の息子、

今でも時々脳裏をかすめます...