亡き息子に捧げる

長男が自殺した父親が綴るあれこれです。息子を死に追いやってしまった自責の念は一生残ります。息子が僕に残した「お前の生き方は間違っている」というメッセージを心に刻み、日々もがいている自分の姿をそのまま書き綴りました。

父の葬儀の日

嫌われていたのに

僕の父、自殺した息子の祖父は、

高学歴な学者でしたから、

中卒の息子を嫌っていました。

僕はその姿をみて、

ざまあみろ!

お前の孫は中卒ですよ!

と息子の人格を無視した

復讐心を満足させるものでした。

本当におかしな話しですが、

僕は父親から厳しく言われた

学歴とか学問とか、

それにまつわる学者や先生とかに

とにかく恨みを持っていたので、

その恨みを晴らすことが、

僕の頭の多くを占めていたのです。

その父が亡くなり、葬儀の時に、

自殺した息子が、

涙流して泣いていたのを見て、

「なんてお人好しなんだ」

「お前を嫌っていた奴なんだぞ」

と心で思いました。

僕がそうさせたのに、

こんなこと矛盾していますが、

当時は心底思ったのです。

そんな優しい心の息子を

死に追いやってしまった僕。

父の葬儀では全く涙も出ず、

むしろホッとした思いだったのは

惨い僕の性格がそうさせたのでしょう。

あ〜こんな酷い性格の人間、

生まれて来なければ、

息子も妻もみんな不幸な思いをさせなくて

済んだのに...。

そればかり思います...