ガラスの心
分かっていたのに...
自殺した息子は
とにかく傷つきやすい子でした。
ちょっとした言葉にも反応して、
すぐに心が壊れてしまうような...
息子が死んでから
友人達と話しをしたとき、
息子はとにかく優しい人だったと
言ってくれました。
自分のことより人のことを優先するとも...
確かに優しかったのでしょう...
僕はその優しさを無視していたのです...
ただ、優しさと傷つき易さとは
いつも表裏一体で、同居しているのです。
自分の悲しみ、苦しみは隠して、
友人に優しさを与えていたのは間違いありません。
息子が僕の愛情の無さに絶望して
命を絶つ前、僕に罵詈雑言を浴びせるでもなく
ただただ、話す事は無いとだけ言い残した
そのことが僕に対する、
最後の優しさだったのでしょう...
恨みも憎しみも持って死んだのは
間違いないのに。
子供が生きている限り、
自分が生きている限り、
子供のことを24時間、考えて
行動しないと親にはなれません。
その意味で僕は親ではなかった...