亡き息子に捧げる

長男が自殺した父親が綴るあれこれです。息子を死に追いやってしまった自責の念は一生残ります。息子が僕に残した「お前の生き方は間違っている」というメッセージを心に刻み、日々もがいている自分の姿をそのまま書き綴りました。

物より思い出

子供の心は何で育つ

「物より思い出」

以前、日産セレナのCMで

こんなコピーが流れていました。

その時は、そうだな〜と思いながら

僕は息子に何の思い出も

作ってやりませんでした。

厳密に言えば、

一緒にテレビゲームは

かなりしていましたが...

息子は、小さい時、

ガンダムのガチャガチャを

何百も持っていました。

しかし、何個増えても

満足せず、次、またその次と

際限なく続いたのです。

今思えば、そんな息子の執着も

僕が、息子との思い出を作ることに

無関心だったからだと感じています。

物を与えても、買ってあげても

それが成長に繋がるものであれば

何も問題はないでしょう。

ただ、その時の自己満足だけを

追い求めたものならば、

それはストップをかけるべきです。

物よりも思い出。

全ての子供は、思い出の数だけ

成長出来る気がします。

もし、次男が結婚し、

孫が出来れば、思い出作りを

多く出来る環境にするでしょう。

ただ、こんな思いを抱くのは、

息子が命を落として教えてくれたからで、

そうでなければ、今でも

何も考えていないかも知れません。

未熟過ぎた親である僕を

いや、息子からしたら親でもなく

ただの虐待者の僕を

改めて、悔いています。