亡き息子に捧げる

長男が自殺した父親が綴るあれこれです。息子を死に追いやってしまった自責の念は一生残ります。息子が僕に残した「お前の生き方は間違っている」というメッセージを心に刻み、日々もがいている自分の姿をそのまま書き綴りました。

生まれてきた使命

使命という名の慰め

「人はそれぞれ使命を持って

生まれてくる」

こんな言い方について

僕が思うことは、

あれは、正直、後付の体の良い

言い方であるということ。

息子に「使命」があったとは思いません。

もし自殺して親を諌めるという

「使命」を帯びて生まれて来たならば、

それは、あまりにもおかしいことですから。

本当のどん底や苦しみ、

そして僕のように自分のやってしまった

大きな過ちに心が抉られている人しか

わかり得ない領域はあるのです。

僕は気軽に「人が生まれてきた使命」

などとは言えません。

人が生まれて来るのは

特別な使命を持ってではなく、

周囲の人に影響を

与えるためのみなのです。

それが、たまたまスポーツだったり

学問だったりで、

人に影響を与える人もいれば、

息子のように自殺して僕や、

周囲に影響を与える人だったり

するだけでしょう。

だからこそ

息子が僕に与えてくれたことを

僕は噛み締めて、これからの

人生を送ることが息子が人に与えた

最高の影響になるのです。