亡き息子に捧げる

長男が自殺した父親が綴るあれこれです。息子を死に追いやってしまった自責の念は一生残ります。息子が僕に残した「お前の生き方は間違っている」というメッセージを心に刻み、日々もがいている自分の姿をそのまま書き綴りました。

兜のケーキ

あるお菓子屋さんにて

端午の節句が近づいたこの頃

たまたま見たのが、

お菓子屋さんオリジナルの

兜の形をしたケーキです。

自殺した息子に、

僕はこどもの日のお祝いなど

何もしませんでした。

今、思えば酷い事をしたとは思いますが、

当時の僕は、

全く気にもしていなかったのです。

兜の形をしたケーキを見て、

子供が大喜びする姿を想像して

ただ、心が痛む自分に、

「バカじゃないか、今頃」

そう問いかけたり

「今、思うだけでもまし」

などと思ったり。

たかがケーキなのに、

僕の心は揺れに揺れていました・・・