亡き息子に捧げる

長男が自殺した父親が綴るあれこれです。息子を死に追いやってしまった自責の念は一生残ります。息子が僕に残した「お前の生き方は間違っている」というメッセージを心に刻み、日々もがいている自分の姿をそのまま書き綴りました。

家庭という密室

子供は助けを呼べない・・・

家庭という言葉は

ある意味では暖かさの象徴・・・

しかし、

今思えば、

息子の置かれた家庭は、

冷たさの象徴でした・・・

暖かい家庭が密室でも

それは家族という仲間が

暮らしている場所としての

プライバシーが守られる

安息の場所です。

ところが、僕のネジ曲がった心を

持つ親がいる密室というのは、

子供にとって地獄でしかありません。

暴力を全く振るわなくても

無関心なだけで、

子供の心は折れ、

そして、魂は死んでしまいます・・・

無関心は子供にとって暴力以上に

大きな傷になるのです・・・

僕は息子が中学2年の

後半くらいから

ずっとそんな感じでした・・・

でも自分で、それが

子供にどれだけの悲しみ

苦しみを与えているか

わからなかったのです。

家庭、

運が良ければ暖かい家庭に、

運が悪ければ冷たい家庭に、

生まれてくるのが、

人の運命なんでしょうか・・・

自殺した息子には生まれ変わって

暖かい家庭に生まれて欲しいと

思ったりもしますが、

人間界という苦しむような

場所には二度と生まれないのが

本当は幸せなのかとも思います・・・

少なくとも僕は、

死んだら「無」になりたい・・・

ここでも僕は自分勝手です・・・