亡き息子に捧げる

長男が自殺した父親が綴るあれこれです。息子を死に追いやってしまった自責の念は一生残ります。息子が僕に残した「お前の生き方は間違っている」というメッセージを心に刻み、日々もがいている自分の姿をそのまま書き綴りました。

憎しみの果て

惨い心

息子が高校に行かないと

言ったとき、

「中卒で人に使われる人生は

まともには行かないよ」

「人を使うしかない」

そう僕は言いました。

でも息子は

「お父さんと俺は考えが違う」

と言われ、

それなら勝手にしろと

そのままにしました。

その後の息子の人生は、

暗く苦しいものでした。

日本に於いて、

中卒で手に職がなければ、

奴隷として生きるしかないのです。

それでも僕は、いつも

あのとき息子が僕に反論した

「お父さんと俺は考えが違う」

その言葉を思い出しては、

「ほら言った通りだろうが...」

そう思ってばかりでした。

息子を助けたい気持ちより

「俺の言った事に反論した

憎い奴め、今頃苦しみやがって」

実の息子に対して、

そんな心しか持てなかったのです。

全ては僕の恨み深い心が

そうさせたのです。

恨みや憎しみは人を殺します。

でも持って生まれた性格と

家庭環境では僕みたいになる可能性は

あるでしょう。

事あるごとに自分を愛さないと

いけないんだと思いつつも

自分なんか生まれてこなきゃ

良かったんだと思う心がもたげて

心の葛藤が止まることはありません...