亡き息子に捧げる

長男が自殺した父親が綴るあれこれです。息子を死に追いやってしまった自責の念は一生残ります。息子が僕に残した「お前の生き方は間違っている」というメッセージを心に刻み、日々もがいている自分の姿をそのまま書き綴りました。

長男への感謝のことば

生まれてきた使命

使命という名の慰め 「人はそれぞれ使命を持って 生まれてくる」 こんな言い方について 僕が思うことは、 あれは、正直、後付の体の良い 言い方であるということ。 息子に「使命」があったとは思いません。 もし自殺して親を諌めるという 「使命」を帯びて生…

夜歩き

飛行物体の正体 何度か書いたことですが、 息子が自殺してから 僕は空を見上げる事が、 多くなりました。 もちろん息子を思い浮かべるのです。 特に仕事の帰りに見る 夜11時過ぎの夜空は特別です。 その夜空に飛行機らしい物体が 飛んでいるのは以前も話し…

兄弟

兄を立てる育て方 僕の育てられ方と 僕が息子を育てたやり方の共通点は、 「兄弟で兄を立てなかった事」 これは正直不正解ですし、 僕は長男を死に追いやってしまいました。 兄弟がいればまずは「兄を立てる」 これをやっていかなければ 僕のように劣等感の…

遺体発見から10ヶ月

忘れることは出来ない日 今日、11月9日は息子の遺体を 親友二人が発見してくれてから ちょうど10ヶ月になります。 僕が二年ぶりに見た息子の顔は、 遺体となった顔でした。。 警察署の遺体安置所というか 倉庫の一角にビニール袋に入れられた 息子の体…

子供を虐待する親の過去

息子から与えられたもの... 息子が自殺するずっと以前から 子供を虐待して殺してしまったり 大怪我をさせてしまう親について、 僕はその人の生い立ちに 大きな原因があることを 理解していました。 テレビの評論家は、 虐待した事実をクローズアップし その…

米と水

息子の遺志 息子は親をあきらめて、 次男を守って欲しいと 自殺しました。 そして、その死によって 次男の苦悩を知ったことは 以前書いたとおりです。 今、次男とは月1回ほど会っています。 会う前に「何が欲しい?」と聞くと 「米」と答えます。 今更遅い…

10回目の月命日

ブログを始めて300日 息子を火葬した翌日から始めた このブログも今日で300回目、 要するに、 火葬してから300日が経過しました。 そして、 今日は息子の10回目の 月命日でもあります。 月日の経つのは早いもの、 僕の気持ちも10ヶ月前とは 少…

家族を作り直す

還暦前からのスタート 息子が自殺してしまい、 還暦前になって、 今さら「家族を作り直す」とは 口はばったい言葉かも知れません。 そんなの遅すぎると思う人が 大半でしょう。 しかし、僕は今、 家族を作り直す気持ちしかありません。 息子はあの世にいます…

次男の就職

不思議な導き 最近、次男が転職しました。 その転職の顛末を聞くと 何かの力に導かれたとしか 言いようがありませんでした。 それは、 当初就職が決まっていた会社から 入社直前になり 雇えなくなったと言われた事で、 他の就職先を探していたら 次男が本当…

妻の夢

息子が笑っていた 今朝起きたら妻が、 ○○(自殺した息子の名)の 夢を見たと言いました。 夢の中で息子は笑っていたそうです。 息子が自殺して初めて 笑った顔の夢です。 嬉しくもあり また悲しくもあり... しかし、今は前向きに 明日に向かって行くしかあり…

もう11月

人生のスピード 息子が自殺したのが、1月はじめ。 あれからもう一年近い月日が流れ、 寒い日だったあの日と同じ、 冬がやってきます。 人生のスピードが早く感じられるのは 毎日が平凡だからなのか、 それとも充実しているからなのか? 少なくとも、息子が…

今この時をひたすら生きる

次男のことだけ一心に思う 僕は長男が自殺してからずっと 後悔と懺悔と自己嫌悪の繰り返しでした。 もちろん根本的には、 今も全く変わりはありません。 ただ、 長男が命を捨てて教えてくれた 次男の苦悩を一掃し、 次男の幸せのために 生きていくと決めた今…

子供はお客様

顧客サービスと同じ 僕が息子を自殺に追い込んだ 最大の原因は、幼いころから 子供の気持ちを考えず、 自分のお考えを押し付けたことです。 今、息子を亡くして思うのは、 子供はお客様と同じだということ。 顧客ニーズを的確に掴み その気持に応えて、 顧客…

息子の引き合わせ(続編)

奈良から大分へ 息子が自殺で、 僕はまともに親として 生きていなかった事に やっと気付きました。 子供の心を無視して、 自分勝手なふるまいばかりだった事が 初めて身体で理解出来たのです。 なので、息子が自殺した直後、 これからは、未来を担う子供に対…

かけがえの無い時間

何気ない日々 子供と過ごす何気ない一日。 何をするわけでもなく ただ一緒にいて、話したり 食べたり、べたべたしたり、 眠ったり... この積み重ねが子供の心には とても大切なことなのです。 僕は息子が自殺して ようやくその事を 認めるようになりました。…

子供の成長に大切なのもの

感動を与える 僕が息子に一切やっていなかったのは、 幼い頃から感動を体験させること。 子供にとって大切なのは、 感動体験をどれだけ多く 積み重ねて大人になるかなのです。 何種類もの感動をし、 その中のいくつかに興味を持つ。 そして、その一つが生涯 …

劣等感を持たせない教育

息子を死なせた原因 僕が小さな頃から 親に一番を求められ、 他人との比較ばかりされて その結果、虚像の自分を 見せる生き方になったのは 以前も書きました。 とにかく涌き上がる劣等感と それを補うように湧き出る 自分を良く見せようとする気持ち。 その…

次男との関係が近づく

弟を思い自殺した兄 息子(兄)は、弟を生かすために 死んだと言っても過言ではないでしょう。 実際に、息子が自殺してから10ヶ月ほどで、 僕たち夫婦と次男との関係は 以前では考えられないくらいに 深いものとなりつつあります。 会う事はもちろん、 次…

息子の引き合わせ(後編)

僕の気持ちのままに 奈良の旅で、息子の夢をみた次の日、 不思議な力に導かれ 偶然立ち寄った八咫烏神社。 神社に強い興味を持った僕は 旅から帰って、 宮司さんのブログを読んでみました。 すると、昭和初期、神社には、 「八咫烏」という題名の彫刻の写真…

息子の引き合わせ(前編)

前向きに考えるしか... 最近、不思議な事がありました。 奈良県に旅したときの話です。 旅程を決める際に、 とても興味があるけれど 奈良の中心地からはかなり外れるし 時間の関係で、訪問出来ないと あきらめていた神社がありました。 しかし、色んないきさ…

過去を振り返っても

後悔はするが... この頃思います。 僕がどのような生き方 考え方をするのが、 自殺した息子が喜ぶのか。 毎日、後悔と懺悔をしていても きっと喜ばないでしょう。 やはり息子が一番喜ぶのは、 次男を護り、もり立て、 これ以上無い幸せにする事。 だったら、…

お彼岸と妻の誕生日

ついでではない 妻の誕生日は9月22日なので、 お彼岸の時期です。 そのお彼岸の今日、 次男と僕たち夫婦の三人で、 お墓参りの後、食事をします。 お墓参りはあくまでもお墓参りで、 食事は妻の誕生日祝いです。 何だか、どちらも 「ついで」みたいですが…

「供養」という言葉

同じ言葉でも... 供養という言葉があります。 先祖供養とかだと、 どちらかと言えば、 信心深く、心安らぐ イメージで、悲しみのイメージは 少ないものです。 しかし、 息子に愛情を持てなく、 無関心だったために 息子を自殺に追い込んだ僕には、 供養など…

墓(その3)

立派な墓への考え方 死んだ人にお金をかけ 大きな墓を作るなんて、 愚の骨頂だと思っていました。 息子が自殺するまでは... しかし、立派なお墓を作ることが、 とても重要な 意味があることを悟ったのです。 お墓は亡くなった人の為では ありません。 今、生…

物より思い出

子供の心は何で育つ 「物より思い出」 以前、日産セレナのCMで こんなコピーが流れていました。 その時は、そうだな〜と思いながら 僕は息子に何の思い出も 作ってやりませんでした。 厳密に言えば、 一緒にテレビゲームは かなりしていましたが... 息子は、…

8回目の 月命日

早いのか遅いのか 今日は息子が自殺して ちょうど8ヶ月になります。 あっという間のような気もし、 また、随分時が経ったような 感じもします。 息子の死に顔を今でも 忘れられません。 ただ、安らかな顔だったのが、 僕にとっては有り難いことでした。 僕…

やっと気付いた

子供の喜ぶモノ、コト 息子が自殺して、 世の中の見え方が変わりました。 一番変わったことは、 世間には子供が喜び、 子供の心の成長に結びつく 「モノ、コト」が溢れているのに 気付いたことです。 僕は、息子を 遊園地に連れて行った思い出は、 一回だけ…

結果には原因がある

だれかの言葉 昔、ある人が言っていました。 「どんな結果にも必ず原因がある」と。 その時は「ふ〜ん」なんて 聞き流していましたが、 今となっては重い言葉です。 息子が自殺したという結果には、 僕が息子を絶望させたという原因が 間違い無くあるからで…

干支

子供に無関心な証拠 次男の干支を覚えていない事に、 今日、気がつきました。 自殺した長男の干支は、 覚えていましたが・・ 子供の干支を知らないなんて、 やはり、子供に無関心な証拠です。 こんな事の積み重ねが、 結局、長男を死に 追いやったのでしょう…

弟を護る兄

尻を叩かれる僕 昨日、次男に炭酸水の ウィルキンソンを 送りました。 先日、長男の初盆で集まったとき 次男がウィルキンソンに はまっている事を知ったからです。 長男が自殺していなければ、 そんな事を一生知らなかったかも しれません。 そして、僕は妻…